講座 臨床から公衆衛生へ
自己免疫疾患
稲葉 午朗
1
1帝京大学内科
pp.720-722
発行日 1981年9月15日
Published Date 1981/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401206386
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自己免疫と自己抗体■
1.免疫寛容と自己抗体
生体中の非自己を識別する機構が免疫系の基本的な仕組みである.そこで,免疫機能を担当する細胞が胎生期にいったん接触した生体内の物質は,生後の再接触によって免疫反応が起こらないようにコントロールされている.これを免疫寛容(immunological tolerance)という.しかし,何らかの原因でこの免疫寛容が失われると,そこに免疫反応が起こって自己抗体が産生される.その機序としていくつかの場合が考えられる.
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