今月の臨床 産婦人科とウイルス感染
トピックス
2.ウイルス感染とSTD
野口 昌良
1
1愛知医科大学産婦人科
pp.312-314
発行日 1996年3月10日
Published Date 1996/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409902452
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性行為によって伝播する疾患をsexually tran—smitted disease(STD)とWHOが呼ぶようになって(1975年)すでに久しいが,年々性行為によって感染する疾病は増え続けている.その後のAIDSの登場を示すまでもなく,人間にとって致命的な感染症も存在する.この中でもウイルスによって引き起こされる疾病はその予防対策がいまだに不十分であり,適切な治療方法が確立されていないものが多い.中でも産婦人科領域においては,これら多数のSTDのうち,性器ヘルペスと尖圭コンジロームはその代表的なものである(表1).
性器ヘルペスに関してはすぐれた抗ヘルペス剤が登場し,治療に対するひとつの光明が示された.これはヘルペスウイルスの特異酵素を標的としたヌクレシドアナログである,今後同様の作用機序に基づく薬剤が続々と開発されてきている.
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