今月の臨床 産婦人科とウイルス感染
胎児感染
1.風疹感染の遺伝子診断—診断のプロセスと障害発生機作
加藤 茂孝
1
1国立予防衛生研究所ウイルス製剤部
pp.248-250
発行日 1996年3月10日
Published Date 1996/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409902437
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胎内感染を起こすウイルス感染症の中でも,実際の臨床現場で判断を求められる症例に最も多く接するのが風疹である.とくに,妊婦の初診時に風疹HI抗体を測定することが次第に一般化するに従って,高いHI抗体価の妊婦において感染時期を知る必要が生じてきた.
発疹などの臨床症状があった場合には簡単であるが,不顕性感染や再感染の可能性まで考えると,たとえIgM抗体の有無を参考にしたとしても,胎内感染の可能性を判定することがきわめて難しい状況にある.この問題を解決するために胎児感染の遺伝子診断法が開発され,現在までの臨床応用の結果,きわめて有力な診断法であることが明らかとなった.
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