今月の臨床 産婦人科とウイルス感染
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産婦人科とウイルス感染
川名 尚
1
1東京大学医学部附属病院分院産婦人科
pp.240-247
発行日 1996年3月10日
Published Date 1996/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409902436
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この25年間で産婦人科臨床においてウイルス感染は重要な位置づけを獲得した.もともとウイルス感染は,小児科,内科の疾患と結びついていたために産婦人科ではあまり重要視されなかったが,風疹の催奇形性の問題に始まり,B型肝炎ウイルスの母子感染など,産婦人科にも重要な問題が登場してきた.それだけでなく,性感染症(sex—ually transmitted diseases,STD)においてウイルス性のものがわかるようになり,性感染症の立場からもウイルス感染が重要になってきた.また,子宮頸癌が感染性のウイルスによって発症するということが示唆され,ヘルペスウイルス,あるいは最近ではパピローマウイルスに注目が集まっており,発癌の問題としてのウイルス感染も大きなテーマとなってきた.本稿では,これらの歴史的な点も踏まえて,overview を試みたい.
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