今月の臨床 無排卵—病態と治療をめぐるトピックス
新しい病態を探る
12.抗癌剤の卵巣機能への影響
滝沢 憲
1
1東京大学医学部分院産婦人科
pp.1509-1511
発行日 1995年11月10日
Published Date 1995/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409902329
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血液脳関門より,特殊な抗癌剤以外は中枢神経に到達しにくいし,細胞分裂をしない神経細胞は抗癌剤に耐性であるので,直接的に抗癌剤が性中枢を障害する可能性は少ない.抗癌剤による卵巣機能障害の本態は,抗癌剤による直接的な卵胞・卵細胞障害と考えられる.その卵巣機能障害は,①患者の年齢により感受性が著しく異なる,②抗癌剤の種類によって著しく異なる,③用いる抗癌剤が多種類になり,また多量になるほど毒性は強くなる,などに要約される.
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