今月の臨床 体外受精マニュアル—新しく始める人へのアドバイス
体外受精の展開
1.共培養法
竹内 一浩
1
1竹内レディースクリニック
pp.1119-1122
発行日 1995年8月10日
Published Date 1995/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409902235
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●はじめに
体外受精・胚移植(IVF-ET)は多くの施設で行われるようになってきた.しかしながらその妊娠率はいまだけっして満足の得られるものではない.配偶子卵管内移植(gamete intrafallopiantransfer,GIFT)やzygote intrafallopian trans—fer (ZIFT)のほうがIVF-ETの成績を上回るとする報告も多い.IVF-ETでは受精から4ないし8細胞期までの発育がin vitroで行われるため,卵管内で発育するin vivoの条件に比して重要な因子が欠落している可能性もある.このため,以前よりできるだけin vivoに近い環境で培養する工夫が試みられてきた.その一つが受精卵と他の細胞をfeeder layerとする共培養法である.著者らは卵管上皮細胞が受精卵発育に重要な役割を担っていると考え,卵管上皮細胞培養を確立し,受精卵との共培養を行い良好な成績を得た.本稿では卵管上皮細胞培養法と受精卵との共培養法について中心に述べ,さらに文献的考察を加えたい.
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