今月の臨床 体外受精マニュアル—新しく始める人へのアドバイス
体外受精の合併症とその対策
2.流産
佐藤 孝道
1
1虎の門病院産婦人科
pp.1091-1095
発行日 1995年8月10日
Published Date 1995/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409902230
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●はじめに
流産と早産の区分は,妊娠21週と22週を境界として法的な背景から決められているが,fetallossという観点からみれば,この境界はもう少しうしろにあったほうがよい.また,その成因から考えると区分をもっと細かくしたほうがよい点もある.つまり,妊娠11週以前のfetal loss(胎児の染色体異常が主たる原因),12〜27週頃の妊娠中期のfetal loss (妊娠20〜24週がピークになる.多胎,頸管無力症,感染,lupus anticoagulant,染色体異常などが主たる要因),それ以降のfetalloss(母体合併症が主たる要因)に分けるほうが成因を含めて考えると,より合理的なように考えられる.
本稿では,妊娠早期のfetal lossと,妊娠中期のfetal lossに分けて,体外受精との関係でその成因,予防について検討する.
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