今月の臨床 体外受精マニュアル—新しく始める人へのアドバイス
Overview
2.体外受精と生殖生理
根上 晃
1
,
吉田 好雄
1
,
富永 敏朗
1
1福井医科大学産婦人科
pp.929-936
発行日 1995年8月10日
Published Date 1995/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409902195
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●はじめに
不妊症の最終目的である妊娠・分娩に至るまでには多くの問題点が残されている.体外受精・胚移植法では卵胞発育,排卵,精子形成・採取以後の,受精(媒精),体外培養,胚発育,胚移植,着床といった,本来自然では体内で行われる過程の多くを体外で行う.このため,その成功率は主に施設の規模やスタッフの技量によるところが多い.多くの施設の成績の検討から,卵巣刺激,卵採取や受精率は一定の水準に達しているものと思われ,今後の検討の余地は胚移植以後の子宮内の胚発育や子宮内膜の着床期の状態把握・評価にあるものと思われる.本稿では体外受精と生殖生理の問題点を着床の成立に焦点をしぼり考察を加えてみたい.
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