今月の臨床 婦人科癌の免疫療法
免疫療法の実際
7.子宮頸癌
関谷 宗英
1
1千葉大学医学部産婦人科
pp.834-835
発行日 1995年7月10日
Published Date 1995/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409902175
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癌の免疫原性およびT細胞の応答が十分解明されていない現在,活動的特異的免疫療法(例えばワクチン)や受動免疫療法(例えばモノクローナル抗体)の臨床応用は将来の課題として残されている.最近の免疫療法戦略には,①活動的非特異的免疫療法(例えばサイトカイン),②養子免疫療法(例えばリンフォカイン活性化キラーLAK細胞や癌浸潤リンパ球TILなど),③抗癌剤との併用による化学免疫療法,などがあり,一部の癌で効果がみられている.
子宮頸癌の治療法はすでに確立されており,他の癌と同様に免疫療法は実用化していない.従来から進行癌や放射線治療後に免疫賦活剤(例えばOK432,クレスチン,シゾフィランなど)が用いられてきたが,延命効果やQOLは統計学的に有意に改善していない現状である.
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