症例
出生前に診断し得たOEIS complexの1例
松原 圭一
1
,
越智 博
1
,
井谷 滋朗
1
,
草薙 康城
1
,
矢野 樹理
1
,
山中 研二
1
,
北川 博之
1
,
松浦 俊平
1
,
宮内 勝敏
2
,
高橋 広
2
,
木村 茂
2
1愛媛大学医学部産婦人科
2愛媛大学医学部第二外科
pp.1417-1420
発行日 1994年11月10日
Published Date 1994/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409901970
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OEIS complexは,200,000から400,000妊娠に1例発症すると言われているめずらしい疾患であり,複雑な奇形のため予後が非常に悪いと考えられてきた.しかし近年,出生前に診断し,生後早期に適切な治療を行うことにより,長期生存例も報告されている.今回われわれが経験した症例は,36歳,1回経妊0回経産.妊娠36週に胎児腹部腫瘤を指摘され当科を受診した.超音波断層法およびMRIを用いて臍帯ヘルニア・腰部髄膜瘤・総排泄管遺残を診断し,OEIS complexを強く疑った.妊娠37週5日,腹式帝王切開術を行い,出生体重2,630g,アプガースコア4/6の男児を出産した.生後,臍帯ヘルニア・膀胱外反・鎖肛・総排泄管遺残・腰部髄膜瘤によってOEIS complexと診断された.腸管膀胱分離術・膀胱閉鎖術などの手術療法が行われたが,ヘルニア嚢への感染によって肝不全・DICを発症.生後120日目に死亡した.
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