今月の臨床 難治性合併症を診る—産科
心血管系合併症
12.深部静脈血栓症
鮫島 浩
1
1鹿児島市立病院周産期医療センター
pp.1344-1345
発行日 1994年11月10日
Published Date 1994/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409901948
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妊娠中の深部静脈血栓症は,死亡率の高い肺塞栓と密接な関連性がある.すなわち肺塞栓の約70%は下肢や骨盤内の深部静脈血栓症を合併しているとされている.また,肺塞栓の頻度は深部静脈血栓症に対する適切な治療により左右され,適切な治療下では肺塞栓の発症頻度は4.5%,死亡率は1%未満であるのに対し,不適切な治療下ではそれぞれ24%,15%に至ると報告されている1).したがって,妊娠中に深部静脈血栓症を早期発見し,適切な治療を行う意義は大きい.
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