CURRENT RESEARCH
黄体機能と活性酸素—消去系
杉野 法広
1
1山口大学医学部産科婦人科
pp.1279-1286
発行日 1994年10月10日
Published Date 1994/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409901933
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黄体の特徴の一つとして注目される点は,その寿命が短く限定されていることである.とくに,ラットでは,交尾がなければ4日ごとに排卵を起こし,交尾があっても着床せず胎盤性物質が出現しなければ約2週間で次の排卵が起こる.妊娠が成立して初めて23日間の黄体期間が得られる.すなわち,子孫の繁殖のため頻回に排卵を得るため黄体機能がいたずらに長期間持続するのではなく,状況に即して最適の長さに調節されているのである.このような黄体の寿命がどのように調節されているかは興味深い所である.ところで,活性酸素やそれを特異的に消去する酵素であるスーパーオキサイドディスムターゼ(SOD)が老化や寿命に関与していると報告されており,黄体機能調節にもこの活性酸素—消去系がなんらかの関与をしているのではないかと考えたのが本研究の始まりである.
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