今月の臨床 婦人科医のためのオステオポローシス
診断
骨量の測定
11.QCT
福永 仁夫
1
1川崎医科大学放射線(核医学)
pp.1101-1102
発行日 1994年9月10日
Published Date 1994/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409901876
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CTで得られる画像は,物質の吸収係数の分布を表す,これは,骨についても同様であり,骨梁の分布状態が画像として得られる.CT値は目的物質および水の吸収係数から算出されるが,水の吸収係数は既知であるので,骨密度の多少をCT値から求めることが試みられた.しかし,CTに使用されるX線は連続スペクトルであること,検査時の管電圧が一定でないこと,被写体の大きさに影響されることなどから,CT値は定量性に欠ける.そこで,これらの欠点を是正するために,CT施行時に種々の濃度の骨塩等価物質を内蔵した基準ファントムと同時に測定部位である腰椎を含む腹部をスキャンし,各濃度の骨塩等価物質とCT値から得られる標準曲線を作成し,被検腰椎に相当する骨塩等価物質の濃度を求める方法が開発された,これが,定量的CT(QCT)である1).
なお,QCTには,一つのエネルギーのX線を使用する方法と,二つのエネルギーのX線を使用する方法とがあり2),本邦では前者の方法が広く行われている.また,近年は末梢骨を測定対象としたperipheral QCT装置も開発されている3).
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