今月の臨床 ハイリスク妊娠—22週までの管理
産科異常
20.子宮外妊娠の保存療法
小林 善宗
1
,
鈴木 隆弘
1
,
本田 育子
1
,
井上 正人
1
1東海大学医学部産婦人科
pp.880-881
発行日 1994年7月10日
Published Date 1994/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409901814
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近年,低単位hCG測定,超音波検査とくに経腟超音波検査,内視鏡検査の普及により,子宮外妊娠の早期診断が可能になり,保存療法を選択する機会が多くなってきている.これには,世界的な子宮外妊娠発生率の増加,早期診断とくに症状発症前に治療開始する機会の増加,保存療法の増加という図式が成り立つが,子宮外妊娠(卵管妊娠)に対する保存的治療は多種多様である.しかし最も重要な問題はその予後,つまり妊孕性の温存である.
子宮外妊娠の保存療法には,大別して2つある.手術的療法および薬物療法である.前者には開腹下または内視鏡(腹腔鏡)下があり,後者にはメソトレキセート(MTX)の全身投与または局注,PGF2αの局注,高張糖液の局注などがある.これらの組み合わせた治療も存在し,どう選択するかが重要である.
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