今月の臨床 安全な婦人科手術をめざして
付属器の手術
子宮外妊娠の手術
長塚 正晃
1
1昭和大学医学部産婦人科学教室
pp.736-739
発行日 2005年5月10日
Published Date 2005/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409100325
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はじめに
近年の経腟超音波断層法の発達・普及と高感度尿中hCG検査薬の開発により,予定月経がわずかに遅れたため来院する妊婦が増えている.そのため妊娠初期から慎重に経過を追うことができる機会が増えており,子宮外妊娠の破裂前に発見・診断される症例が増えてきた.以前は子宮外妊娠非破裂例,破裂例とも緊急開腹卵管摘出術が施行されてきた.
子宮外妊娠は約10%に反復するといわれており,卵管を保存的に治療することの重要性が認識され,腹腔鏡下手術が普及してきた現在,手術術式は大きく変化してきている.一方で生殖補助医療(ART)が発達したため子宮外妊娠の部位別頻度も変化している(図11)).ART妊娠では子宮内外同時妊娠が11.7%と自然妊娠に比較し高率に発生することから,その診断は重要である.また表11)に子宮外妊娠のリスクファクターを示す.子宮外妊娠では問診は診断上きわめて重要である.
本稿では子宮外妊娠,特に卵管妊娠における手術術式と合併症,予防策について文献的考察を加え報告する.
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