今月の臨床 産科外来検診マニュアル
妊娠初期
10.子宮外妊娠
谷 俊郎
1
Toshio Tani
1
1大阪回生病院産婦人科
pp.488-489
発行日 1993年5月10日
Published Date 1993/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409901265
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高感度hCGの測定キットと経腟超音波診断装置の普及によって,子宮外妊娠の診断は以前に比べて妊娠初期からより正確に下されるようになった。
そのためかつてのように大量の腹腔内出血を伴う典型的な症例に遭遇することは少なくなったが,完全流産との鑑別に迷う卵管流産例や機能性出血と紛らわしい陳旧例に悩まされることは今なおしばしば経験するところである。また排卵誘発療法や配偶子操作による不妊治療は子宮外妊娠の発症頻度を単に高めるだけではなく,従来の診断基準の常識を覆する子宮内外同時妊娠をも惹起しやすいことが明らかとなり,このことを念頭において診断にあたらないと重大な結果を招来することになる。
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