今月の臨床 ハイリスク妊娠—22週までの管理
婦人科合併症
13.子宮頸部腫瘍
岩坂 剛
1
,
杉森 甫
1
1佐賀医科大学産婦人科
pp.860-861
発行日 1994年7月10日
Published Date 1994/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409901807
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近年,妊婦への子宮頸部細胞診の施行が一般化したことにより,妊娠中に発見される子宮頸部腫瘍が増加傾向にある.こうして発見される子宮頸部腫瘍も,そのほとんどは初期病変であり,妊娠中の初期病変に対する取り扱いについては,ほぼ一定した基準が確立されているため,その対処に苦慮することは少ない.しかしながら,発見された腫瘍が浸潤癌であった場合は,母児双方の生命を危険にさらしつつ,同時に,この2つの生命の維持を考慮に入れなければならない.このように,相反する要素の妥協を強いられるため,一定の治療方針を得ることが必ずしも容易ではない.
本稿では,初期病変を含めた子宮頸部腫瘍合併妊娠に対して,現在われわれが施行している治療指針について述べたい.
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