今月の臨床 子宮頸がんの予防戦略―ワクチンと検診
子宮頸がん検診―普及をめざして
5.子宮頸部腺がん検診の注意点
岩坂 剛
1
1佐賀大学医学部産科婦人科学
pp.310-313
発行日 2010年3月10日
Published Date 2010/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409102297
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はじめに
細胞診の歴史のなかでは,子宮頸部細胞診は最も古くから行われてきたものであり,また現在最も進んでいる分野でもある.なかでも扁平上皮系の病変の診断では,がんのみならず,前がん病変における診断基準が確立されており,これまで子宮頸部病変の早期診断,早期治療に多大な貢献をしてきた.一方,頸部腺がんを含めた腺系病変についても,扁平上皮がんと同様の努力がなされてきたが,その初期病変の病態についてはいまだ不明な部分が多く,扁平上皮系病変の診断ほど容易ではないというのが実状である.
本稿では,腺系病変の検出が困難な理由,さらにその解決策について考察する.
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