今月の臨床 婦人科外来検診マニュアル
H.患者への対応
54.告知をめぐる問題点(悪性腫瘍)
河野 一郎
1
1川崎医科大学産婦人科
pp.542-544
発行日 1994年4月10日
Published Date 1994/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409901716
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患者が医療を受けようとする時,自分の病状とそれに対して行われる医療行為についてより詳しく知りたいと思うのはきわめて当然のことである.外来において病名を告知され,それに関連して適切な説明をうけることはこれから医療に参加しようとしている患者にとっては入口にもあたる重要な出来事になる.しかし医師の側からみると外来での病名告知は,患者の性格や家族関係など生活背景が十分にわからないこともあってかなり制約を受けることになる.
産婦人科領域では癌をはじめ,エイズなどSTD,染色体異常など告知に際して医学的のみならず社会的な配慮が要求される問題が多く,しかも疾患によってはその対応の仕方に相当の差ができてくる.そこで本稿では癌の告知に限って外来での問題点について記すことにする.
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