原著
産科DIC合併症例の開腹術における周術期管理について
岸 東彦
1,2
,
井上 潤
1
,
立花 聡司
1
,
上屋 吉弘
1
,
松井 三明
1
,
寺師 恵子
1
,
海野 信也
1
,
佐藤 孝
1
,
箕浦 茂樹
1
,
後藤 順子
3
,
森塚 威次郎
3
,
高橋 克幸
3
,
岡田 一敏
2
,
涌澤 玲児
2
1国立国際医療センター産婦人科
2岩手医科大学麻酔科
3国立仙台病院産婦人科
pp.349-354
発行日 1994年3月10日
Published Date 1994/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409901660
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産科DICの治療は原因疾患の除去がきわめて重要であるため,緊急手術が施行されることが少なくない.開腹術を施行した産科DIC 10例の周術期管理について臨床的検討を行った.術前には,フィブリノゲン,FDPなどの凝固系検査は行い得ないことが多く,DIC発症を診断確定するのは困難である.術中管理としては,急性循環不全の合併が少なからず認められることから,伝達麻酔の回避,蛋白分解酵素阻害剤の併用が肝要である.また,急性腎不全,肺水腫,ショック,重症貧血などの合併症対策が術後管理において重要である.
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