今月の臨床 不妊症はどこまで治せるか
ARTの問題点
20.顕微授精の問題点
高橋 克彦
1
,
竹中 真奈美
1
1広島HARTクリニック
pp.182-183
発行日 1994年2月10日
Published Date 1994/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409901616
- 有料閲覧
- 文献概要
顕微授精の臨床応用は男性不妊症はもちろん,原因不明不妊症で体外受精(IVF)を行ってもまったく受精しない人への朗報となった.本邦でもすでに20名を越す出生児が報告されており1,2),その技術の進歩と共に今後さらにその数は増大するであろう.しかしながら,この新技術は始まったばかりであり,安全性,技術面のみならず,その適応や倫理面についても必ずしも結論がでているわけではない.本稿ではこれらの問題点について検討した.
現在臨床に応用されている顕微授精の方法は,①透明帯を機械的に開孔する方法(partial zonadissection, PZD),②囲卵腔内に直接精子を注入する方法(subzonal inseminlation, SUZI),③卵細胞質内に精子を注入する方法(intracytoplasmicsperm injection, ICSI)の3法である.それぞれの方法については本特集で述べられるので省略し,各3法について問題点を述べる,なお1993年9月12日より15日まで京都で開かれた第8回世界体外受精会議(以下,VIII WIVF)にて新たな報告があったのでこれについても述べる.
Copyright © 1994, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.