今月の臨床 不妊症はどこまで治せるか
ARTの基礎
7.着床に免疫因子はどう関与しているか
神崎 秀陽
1
,
今井 公俊
1
1京都大学医学部婦人科学産科学
pp.150-151
発行日 1994年2月10日
Published Date 1994/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409901603
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妊孕現象の各ステップに免疫因子が深く関わっていることが知られてきている.卵胞発育,排卵,黄体形成といった一連の過程に局所調節因子として免疫系の関与が強く示唆されており,受精においても,精子免疫に起因する障害が明らかとなっている.妊卵着床や初期胎児発育の過程においても免疫因子が関与していると考えられており,免疫学的な着床障害(不妊)や習慣流産(不育症)などの病態が想定されている.しかし免疫因子が着床—妊娠初期過程に果たす役割については現在なお種々の仮説が交錯しており,基礎的研究と臨床的診断・治療の間にはなお大きなギャップがある.ここでは妊娠初期における免疫的側面についてのこれまでの研究を概説し,この領域での最近の話題について述べたい.
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