原著
人工羊水注入法(Amnioinfusion)無効例の検討
武久 徹
1
,
嘉本 和恵
1
1武久産婦人科医院
pp.107-112
発行日 1994年1月10日
Published Date 1994/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409901593
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当院では1993年6月までに経腟試験分娩2,058列に対し93例(4.5%)のamnioinfusionを行った.Amnioinfusion施行例の分娩予後は正常分娩82例,帝切11例(fetal distress 8例,分娩進行停止3例)であった.臍帯圧迫されやすい羊水過少症例の当院におけるamnioinfusion施行前のfetal distressによる帝切率は20.8%(5/24例)であったが,施行後は10.4%(5/48例)であった.したがって,amnioinfusionでfetal distressによる帝切率を半減させられるが,amnioinfusionでfetaldistressによる帝切を回避できなかった8例を検討すると,不十分な注入量(300 ml以下が5例)が主要な原因と思われた.したがって,amnioin—fusionでfetal distressによる帝切率をさらに下げるためには,①羊水過少症例には分娩開始後に予防的amnioinfusionを行う,②20〜25 ml/分の速度で500 ml注入し,羊水量をできるだけ早く補うこと,が重要と思われる.
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