特別企画 羊水の重要性とアムニオインフュージョン
羊水の臨床
武久 徹
1
,
嘉本 和恵
1
1武久産婦人科医院
pp.607-617
発行日 1993年8月25日
Published Date 1993/8/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611900848
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はじめに
最近の周産期医学の急速な進歩のひとつとしては,1980年以降にはノンストレステスト(NST),コントラクションストレステスト(CST),バイオフィジカルプロファイル(BPP)などの検査で胎児情報がリアルタイムで得られるようになったことがあげられる。その恩恵の一例として,たとえば南カリフォルニア大学(USC)では,10年前と最近の6年間を比較して分娩前胎児死亡率を1/4に減少させている。しかも生化学的検査(E3,hPL)—急性の胎児状態を知るためには不正確であるが—を全く行なわずに,また帝王切開率もほとんど増加させずにこの成果をあげている。
USCでは,21年間の分娩前胎児管理試験の膨大な統計検討を行なった結果,分娩前胎児死亡率の大幅な減少に大きく貢献したのは分娩前胎児管理試験で羊水量測定をルチーンに行なったためであろうとしている1)。
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