今月の臨床 新しい薬物療法をさぐる
薬物療法プラクティス
13.クラミジア感染症の薬物療法
野口 昌良
1
1愛知医科大学産婦人科
pp.52-53
発行日 1994年1月10日
Published Date 1994/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409901575
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Chlamydia感染症が性病性リンパ肉芽腫やトラコーマ結膜炎など,50年以上前から知られていた疾患以外にもさまざまな感染形態を示すことが知られたのは,本邦においては1980年代に入ってからのことである.
その結果,野鳥や愛玩用の鳥などから Chla—mydia psittaciによる感染が判明し,さらにChla—mydia trachomatisがSTDとして性器感染をすること,とりわけ女性においては頸管に生じた初期感染が上行性に腹腔内に及び,これが卵管およびその周辺の癒着,加えて卵管の通過障害を引き起こし,不妊症の原因として知られるようになった.同時に,頸管などいわゆる産道にクラミジア感染があると,分娩時に新生児に感染が起こり,新生児結膜炎や肺炎を引き起こすことも明らかになった.
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