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HPVと子宮頸癌
今野 良
1
,
田勢 享
1
,
佐藤 信二
1
,
矢嶋 聰
1
1東北大学医学部産婦人科
キーワード:
human papillomavirus
,
HPV
,
子宮頚癌
,
Southern blot hybridization法
,
in situ hybridization法
,
PCR法
Keyword:
human papillomavirus
,
HPV
,
子宮頚癌
,
Southern blot hybridization法
,
in situ hybridization法
,
PCR法
pp.395-396
発行日 1991年4月15日
Published Date 1991/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542900559
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- 文献概要
特定のヒトパピローマウイルス(human papillomavirus;HPV)が子宮頸癌組織中に高率に検出され1),発癌過程に重要な因子として働く可能性があるとして注目されている.
HPVは約7900塩基対の2本鎖DNAをもつDNAウイルスで,現在その型は60種類以上に及ぶ.これらはDNAのホモロジーの違いによって同定された順番に従い,番号で呼ばれており,子宮頸癌やその関連病変で検出されているのは,HPV16,18,31,33,35,52b,58などである.よく研究されているHPV162)と183)は細胞を不死化させ,NIH3T3cellをtransformationさせることや,有名な子宮頸癌細胞株にintegrateされて存在すること(CaSki,SiHaはHPV16,HeLaはHPV18)がわかっている.また,HPVDNAの初期遺伝子領域(E6,E7 open readingframe)はSV40やadenovirus E1Aの一部とホモロジーが高く,癌抑制遺伝子p53およびRbと結合しているという最近の興味深い知見がある4,5).子宮頸癌とHPVの関係を解明するためには上述した基礎研究を裏づける臨床研究が必要であり,われわれの教室では形態学,電子顕微鏡,酵素抗体法,分子生物学的方法による検討を行ってきた.
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