今月の臨床 胎児環境をチェックする
胎盤
5.常位胎盤早期剥離と母児管理
谷口 幸一
1
,
植田 充治
1
Kouichi Taniguchi
1
,
Syuji Ueda
1
1聖バルナバ病院産婦人科
pp.1284-1285
発行日 1993年11月10日
Published Date 1993/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409901501
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常位胎盤早期剥離(早剥)とをよ,妊娠20週以降で正常位置に付着している胎盤が胎児娩出前に子宮壁より剥離するものを言い,その頻度は分娩総数の0.1〜1.0%と言われている。当院における最近10年間の総分娩数22,985例中早剥症例は154例で,その頻度はO.7%であった。また,早剥は妊娠経過に異常がなくても突然発症するが,高血圧・蛋白尿を伴う重症妊娠中毒症合併や早剥既往例は,早剥危険群として注意が必要であり,早剥からしばしば播種性血管内血液凝固(DIC)に移行し,周産期死亡率も高率で母児ともに重大な影響を及ぼす。
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