今月の臨床 治療にてこずる感染症
難治性症例の経験
25.産褥感染症
舟木 憲一
1
Ken-ichi Funaki
1
1東北労災病院産婦人科
pp.1108-1109
発行日 1993年9月10日
Published Date 1993/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409901450
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予防的に投与される化学療法,および上行性子宮内感染に対する意識などにより最近日常みられる産褥熱は軽症ないし中等度の産褥子宮内感染を呈するものが多く,敗血症型産褥熱は著しく少なくなった。といっても最近の敗血症は産褥早期にみられる急性の敗血症は少なく,産褥を契機として遷延性に起こってくることが重要である。破水後6時間以上を経て分娩に至った症例については全例新生児の耳道分泌物培養を行い,新生児感染および産褥感染の予防に役立ち,母児ともに重症な感染症症例は幸いにも経験がない。しかし,その培養菌種は表1のように多種にわたっており,MRSAを主とする耐性菌およびpre-PROMの長期にわたる管理はなお重要である。
今回は発熱および胎児仮死にて送院された原因菌不明の母児感染の症例について考察する。
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