今月の臨床 治療にてこずる感染症
難治性症例の経験
24.術後感染症
井村 睦規
1
,
嘉村 敏治
1
Mutsunori Imura
1
,
Toshiharu Kamura
1
1九州大学医学部婦人科産科
pp.1105-1107
発行日 1993年9月10日
Published Date 1993/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409901449
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
術後感染症の発症の要因としては,患者の感染防御能の低下や,手術対象臓器の常在細菌による手術野の汚染度,すなわち汚染手術,準無菌手術,無菌手術のどれであるかがあげられるが,もう一つ忘れてはならないのが,血腫形成,死腔,壊死組織の存在,組織圧迫,体液の貯留,縫合不全も局所の抵抗力の低下を招き,感染の原因となりうる。
とくに本稿においては,開腹術後の創部感染症に注目し,術後2回も創部感染を起こした症例を詳細に述べ,考察の中で,当科における最近5年間の創部感染症について検討した。
Copyright © 1993, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.