今月の臨床 治療にてこずる感染症
難治性症例の経験
21.バルトリン腺炎
関 賢一
1
,
木挽 貢慈
1
Kenichi Seki
1
,
Koji Kobiki
1
1川崎市立川崎病院産婦人科
pp.1098-1099
発行日 1993年9月10日
Published Date 1993/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409901446
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バルトリン腺の炎症は,腹開口部にはじまり,排泄管部および腺体に波及すると,バルトリン膿瘍を形成するに至る。また,腺開口部が閉鎖すると,分泌物が排泄管および腺内に貯留し,バルトリン腺嚢腫となる。
いずれも異物感,腫脹感,自発痛などの症状があるときには,穿刺,切開などにより,排液,排膿し,抗生剤の投与により一時的な治療を行うことが多い。しかし,なかには何度穿刺,排膿をくり返しても軽快しなかったり,一度治癒した後,数ヵ月ないしは数年を経て再発するものもある。本稿では,難治性のバルトリン腺膿瘍の症例を示し,合わせてわれわれの施設での治療状況を報告する。
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