今月の臨床 産婦管理—on callに応える
褥室
32.MRSA
野口 昌良
1
Masayoshi Noguchi
1
1愛知医科大学産婦人科
pp.1008-1009
発行日 1993年8月10日
Published Date 1993/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409901421
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MRSA(methicillin耐性ブドウ球菌)は強力な毒性をもつグラム陰性桿菌などの耐性と戦った結果として出現してきたものである。このことはMRSAの出現が第三世代セフェム系抗生物質の使用による結果であることを裏づけてはいるが,このβラクタム製剤によりいかに多くの人類が重症の感染症から救われてきたかということを忘れるわけにはいかない。
しかもMRSAは黄色ブドウ球菌の中で特殊な遺伝子をもち,いわゆるβラクタム製剤に対して耐性をもつものの総称である。したがって,MRSAすべてが人間にとって重大な症状を引き起こすものではない。その中の一部のものが特別の状態にある患者において急激に増加し,ときに致命的な結果をもたらすこともあるが,きわめてまれなものである。
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