今月の臨床 産婦管理—on callに応える
分娩室
19.会陰切開のタイミングと方法
進 純郎
1
Sumio Shin
1
1日本医科大学産婦人科
pp.972-974
発行日 1993年8月10日
Published Date 1993/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409901408
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
旧来から会陰切開は安全に胎児を娩出させるための手段であって,産褥期の疼痛や局所の腫脹に伴う褥婦の苦しみに関しては,余り問題にされていなかったといっても過言ではない。そのため切開法についてもcase by caseによりその方法を選択したりすることもあまりなかったようであるし,縫合糸の吟味,改良に関しても注意が向けられることはほとんどなく,歴史的に絹糸とカットグットが用いられてきている。ときに,会陰切開・縫合に興味ある産科医がナイロン糸を用いたり,特殊な縫合法を開発したりしているが普及するまでに至っていない。近年,会陰の縫合に理想的な合成吸収性縫合糸が開発されたことにより,会陰切開縫合に新しい時代が到来したといっても過言ではない。この縫合糸の出現によりアメニティ(快適性)を追及することが可能になり,それに伴い理想的な切開部位やその方法,切開のタイミングが論議されることになったのである。
Copyright © 1993, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.