今月の臨床 ホルモン補充療法;HRT
HRTの背景
5.性交障害
川越 慎之助
1
Shinnosuke Kawagoe
1
1山形大学医学部産婦人科
pp.816-817
発行日 1993年7月10日
Published Date 1993/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409901362
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生殖内分泌環境は更年期に大きく変化し,卵巣ホルモンの著しい分泌低下をみる。その結果,当該ホルモンの標的臓器として支配される女性性器の形態機能の退行性変化が更年期以降加速度的に進行し,性交障害の一つの原因となる。また,更年期にみる閉経現象によって否応なく生殖能の終焉を自覚させられ,性活動の心理的障害となる。このように,更年期・老年期婦人においては身体的,精神的要因の複合によって性交障害が発生してくることが多い。そして,その根底には卵巣機能の衰退,消失がある。ここではその卵巣機能低下と性交障害発生との因果関係について述べる。
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