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妊娠中の性交と早産
広井 正彦
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1山形大学産科婦人科学
pp.59
発行日 1977年1月10日
Published Date 1977/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409205551
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Javert1)はその著書である「自然および習慣性流産」の中に,習慣性流産の治療には性的の禁欲が重要であるとのべている。事実Mastersら2)によれば性交により子宮の収縮が促がされることが判明している。このことについてGoodlinら3)は1971年に妊娠32週以後のorgasmの頻度をみると満期産よりも早産例に有意に高いことより,母体のorgasmが早産の原因であるとのべている。さらに彼ら4)は1972年に分娩6日前の満期の妊娠で内部のモニターを用いてorgasm中の子宮収縮と胎児心音の減少との関連性を検討し,妊娠満期でのorgasm中の記録によると陣痛の開始と胎児環境の変化がみられることを強調している。その他にもprostaglandinが子宮収縮に関与することが判明しているが,精液中にはprostaglandinが含有しているために,この射精された精液が子宮収縮をうながし,早産を起こす可能性も考えられる。
そこでWagnerら5)は,娠娠37週以前で児の体重2,500g以下の出産をしたものを早産として(この間に出生した260例のうち19例の早産例があったが),この全例にSeattleの産婦人科医74名と男子医学生3名による問診を行なった。なお,対照例として19例の早産例にマッチした年齢,妊娠歴,人種などの満期産と比較した。対照群の方が早産群や全妊娠群に比して各妊娠期間中での性交回数は多い。
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