薬の臨床
性交障害とリューブゼリー
塚原 嘉治
1
,
石井 淳
2
,
福田 透
1
Yoshiharu Tsukahara
1
,
Jun Ishii
2
,
Toru Fukuta
1
1信州大学医学部産婦人科学教室
2市立岡谷病院産婦人科
pp.611-613
発行日 1989年6月10日
Published Date 1989/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409208026
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何らかの性交障害のためリューブゼリーの使用を推奨した172例の婦人について,その臨床的背景,性交障害の治療方法,リューブゼリーの効果などについて報告し,若干の留意点を含め以下の結論を得た。
1)リューブゼリー使用老の多くは萎縮性腟炎を伴う症例が多く,エストリールによる局所状況改善ののちリューブゼリー使用が有効であり,治療過程で重大な問題点はみられなかった。
2)良性あるいは悪性婦人科疾患で手術または放射線療法を施行した婦人に対しても,また産褥後や新婚時の性交痛,カンジダ症に伴う性交痛に対しても有効であった。
3)ホルモン剤投与に際し,乳房緊満感,下腹部緊満感,外陰部腫脹感などの発現の可能性を十分説明し,以後一定期間毎の婦人科検診の必要性についても十分説明しておくことが大切である。
4)積極的に訴え難い性交障害といった悩みを察知し,婦人に対し年代を超えて十分の理解と思いやりの気持が肝要である。
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