今月の臨床 ホルモン補充療法;HRT
HRTの背景
3.女性の動脈硬化症
伊藤 利光
1
,
東 賢二
1
,
中村 治雄
1
Toshimitsu Itoh
1
1防衛医科大学校第一内科
pp.810-812
発行日 1993年7月10日
Published Date 1993/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409901359
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高脂血症が動脈硬化を発症,進展させ,心筋梗塞など致死的な疾病の基礎となっていることは欧米のみならず本邦でも周知の事実である。
厚生省特定疾患調査研究班(班長:垂井清一郎大阪大学名誉教授,疫学,診断分科会長:中村治雄)の報告1)によると,図1に示すように高脂血症(総コレステロール値220mg/dl以上,トリグリセリド値150mg/dl以上)は,男では30歳代から増加し,40歳代でピークとなり,以後漸減していくが,これに対し女では40歳代より増加し,50歳代がピークであり,60歳代,70歳代では男よりも女にその頻度は高い。すなわち,閉経後の中高年女性は動脈硬化症の危険にさらされているといっても過言ではない。また,男と女では動脈硬化の発症には異なるメカニズムが存在していると考えられる。
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