原著
婦人科悪性腫瘍における新しい腫瘍マーカーCytokeratin 19の臨床的有用性に関する研究
根岸 能之
1
Yoshiyuki Negishi
1
1東京医科大学産婦人科
pp.781-786
発行日 1993年6月10日
Published Date 1993/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409901352
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Centocor CYFRA 21-1 RIA Kitを用い婦人科悪性腫瘍における血中Cytokera—tin 19(CK 19)を測定し,CK 19の腫瘍マーカーとしての臨床的有用性を検討した。その結果,CK 19のcut off値を2.2ng/mlと設定すると,各疾患のCK 19の陽性率は原発性卵巣癌が58.7%,子宮内膜癌が50%,子宮頸部扁平上皮癌が45%であった.一方,良性卵巣腫瘍は3.3%,内膜症性嚢胞は全例陰性ときわめて少ないfalse positiveを示した。CK 19とCA 125の組み合わせで原発性卵巣癌は87%,子宮内膜癌は70%,CK 19とSCCとでは子宮頸部扁平上皮癌は70%と単独測定に比較して陽性率が向上した。良・悪性卵巣腫瘍におけるCK 19とTPA問に強い相関(r=0.793)が認められ,CK 19はTPAに取って代われる腫瘍マーカーであることが示唆された。各腫瘍マーカーのROC 曲線から,CK 19は原発性卵巣癌の腫瘍マーカーとしてCA 125と同様に有用であることが証明された。
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