今月の臨床 外陰の診かた
疾患のポイントと私の治療法
24.外陰表皮内癌
山辺 徹
1
Tooru Yamabe
1
1長崎大学医学部産科婦人科
pp.752-753
発行日 1993年6月10日
Published Date 1993/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409901344
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前癌性皮膚症(Bowen,1912)と紅色肥厚症(Queyrat,1911)は本態的に同種の病変とされ,一般に皮膚におけるものをBowen病,また粘膜に生じた場合を紅色肥厚症と呼んで区別されてきた。Collinsらは単純性上皮内癌(表皮内癌)とBowen病は組織学的に区別され,前者のほうが早期に浸潤癌に進展することを指摘した。その後,Woodruffら3)は表皮内癌とBowen病の共存ないし移行例のあることから,これらを扁平上皮内癌として一括すべきとした。ISSVD分類2)でも,従来からBowen病,紅色肥厚症および単純性上皮内癌と呼ばれた病変は外陰上皮内腫瘍(VIN)に含まれるものとし,好ましい名称ではないとしている。またBowen様丘疹症の語が多発性丘疹を伴うVINの例に用いられているが,病理学的用語としては受け入れられていない。ISSVDでは,さらに非扁平上皮性VINのカテゴリーにPaget病と表皮内黒色腫を含めている(表1)。
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