臨床研修セミナー 外陰疾患—外陰ジストロフィーを中心に
Overview
外陰ジストロフィーおよび異形成
山辺 徹
1
Tooru Yamabe
1
1長崎大学医学部産科婦人科学教室
pp.459-463
発行日 1989年5月10日
Published Date 1989/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409208001
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従来より広く用いられてきた白斑症leukoplakiaや外陰萎縮症kraurosis vulvaeなどの語は肉眼的ないし症候的な表現にすぎず,疾患名としては不適当なことから,今日では外陰ジストロフィーvulvar dystrophiesの名称で一括されている。一方,表皮に細胞異型を認めるものは外陰上皮内腫瘍vulvar intraepithelial neoplasia(VIN)と呼ばれ,異形成dysplasiaと表皮内癌carcinoma in situが含まれる。そして外陰ジストロフィーのうちには異形成を伴う例がみられるが,従来,白斑症や外陰萎縮症からの癌化とみなされていたのは,今日では異形成を伴う外陰ジストロフィーからの癌化であることが指摘されている。
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