境界領域の再評価とその展開 特集
産婦人科と皮膚
外陰扁平上皮癌の前駆病変と病理発生
山辺 徹
1
Tooru Yamabe
1
1長崎大学医学部産科婦人科学教室
pp.735-738
発行日 1987年11月10日
Published Date 1987/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409207682
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外陰癌の大部分は麦皮細胞から発生する扁平上皮癌であり,ときに外陰Paget病から生じるものや皮膚付属器などから生じる腺癌もみられる。今日では,外陰扁平上皮癌は主として外陰異型(異形成)から表皮内癌(扁平上皮癌)を経て発生する過程が重視されている。ところで,この癌前駆病変ともいえる異型はしばしば外陰ジストロフィーと関連して認められ,その発生にヒト・パピローマウイルス(HPV)感染が誘因となることが論じられている。
このような観点から,外陰扁平上皮癌のいわゆる前駆病変と病理発生に関する私見について概説することにする。
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