今月の臨床 産科外来検診マニュアル
妊娠後期
50.バイオフィジカルプロファイル
武久 徹
1
Tooru Takehisa
1
1武久産婦人科医院
pp.610-614
発行日 1993年5月10日
Published Date 1993/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409901305
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分娩前胎児管理試験として,①禁忌がなく,②未熟胎児に対する検査として胎児の未熟性をほとんど考慮する必要がなく,③現在利用されている胎児管理試験の中で分娩前胎児死亡率がきわめて低率であるなどの理由から北米では現在分娩前胎児管理試験として不可欠な検査となっている。しかし,残念ながらわが国ではbiophysicalprofile(BPP)が北米並みに十分施行されているとは言えないのが現状である。ドップラーによる血流測定による分娩前胎児管理試験はその有用性がまだ実験段階であり1),fetal heart rate(FHR)モニタリングによるNST以外の分娩前胎児管理試験が北米並みに普及していないわが国の分娩前胎児管理試験は,北米と多くの点で違っている。とくにNST単独の分娩前胎児管理は信頼度が低い2)ことは,欧米の多くの研究が示しているため,わが国でもより信頼度の高い検査としてBPPの普及が望まれる。
今回,BPPに関するいくつかの問題点を考察し,現時点におけるBPPの有用性を考えてみる。
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