特集 妊婦のマイナートラブル
妊婦のマイナートラフブルと保健指導のあり方
竹中 美
1
1自治医科大学看護短期大学
pp.92-103
発行日 1989年2月25日
Published Date 1989/2/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611207557
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はじめに
「妊娠は決して病気でも異常な状態でもなく,人間にとって重要でしかも自然な経験である。社会生活から隔絶されるべき状態でもない。現在では,健康な妊婦にとっては勤労も,運動も,性生活も特に害はないということが明らかにされている」(松本1):1986)といわれるように,とかく妊婦の生活が消極的にならざるを得なかった従来に比較して,現在の妊婦は種々の制限・制約から解放されてきたといえよう。
近年,健康に対する人々の関心が高まり,妊婦自身も快適で,より健康感が実感できる生活を積極的に求めるようになってきた。このような妊産婦のニーズに応えて分娩準備教育も,その内容を充実させながら地域や施設で年々盛んに実施されるようになった。マタニティビクス・自律訓練法・マタニティスイミング・ラマーズ法出産など妊婦も競うように勉強している。妊娠中や出産後間もない人気タレントも登場して,楽しさ・明るさが溢れるばかりの妊婦向けの月刊誌もよく売れている。
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