原著
閉経婦人の高脂血症に対するエストロゲン剤とHMG-CoA還元酵素阻害剤プラバスタチン(メバロチン®)による短期治療成績の比較
後山 尚久
1
,
岡本 吉明
1
,
杉本 修
1
Takahisa Ushiroyama
1
1大阪医科大学科産婦人科
pp.1381-1384
発行日 1992年11月10日
Published Date 1992/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409901085
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高脂血症と診断した閉経婦人30名に対し,HMG-CoA還元酵素阻害剤であるプラバスタチンおよび結合型エストロゲン剤の短期投与成績を比較検討した。プラバスタチン投与群(17例)では,血清LDL—コレステロール値,動脈硬化指数はそれぞれ,投与前値の59.9%(投与8週),59, 5%(投与12週)に低下した.エストロゲン投与群(13例)ではそれぞれ,投与前値の70.3%(投与8週),70.0%(投与8週)に低下した。閉経婦人の高脂血症に対して,両薬剤ともに十分な効果が期待できるが,とくにHMG-CoA還元酵素阻害剤のプラバスタチンは,血清コレステロール低下作用に優れていることがわかった。
外来を受診する閉経婦人の多くを占める高脂血症に対して,早期に診断,治療することは,産婦人科医の今後の大きな役割であると考える。
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