特集 論争の現場を見にいく
【実例で見る論争】
閉経後のホルモン補充療法
坂爪 香
1
,
高橋 知子
1
1千葉大学医学部附属病院総合診療部
キーワード:
閉経後女性
,
ホルモン補充療法
Keyword:
閉経後女性
,
ホルモン補充療法
pp.1022-1024
発行日 2007年12月15日
Published Date 2007/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414101297
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意見①:HRTに積極的な立場
近年の医学の進歩により,閉経後の女性では,エストロゲンの減少がさまざまな疾患の発生に関わっていることが解明されてきた.たとえば,のぼせやほてりなどの血管運動症状や,萎縮性腟炎・排尿障害などの泌尿生殖器症状などを含む更年期障害,動脈硬化症,高脂血症,骨粗鬆症,認知力低下などである.それを受けて,ホルモン補充療法(hormone replacement therapy:HRT)の名が一般的にも広く認識されるようになった.1992年にはAmerican College of Physiciansが「すべての閉経後女性にHRTを考慮すべき」とし,1995年にはAmerican Heart Associationが「すべての虚血性心疾患を有する閉経後女性にHRTを考慮すべき」とし,1997年には「虚血性心疾患の1次予防に関し,高LDL血症のような危険因子を多数有する閉経後女性にはHRTを考慮すべき」とした時代もあった.
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