知っておきたい産科婦人科の疾患と知識・13
閉経後にみられる疾患と卵巣ホルモン補充療法
宮川 勇生
1
,
高井 教行
1
,
川嵜 史子
1
1大分医科大学産科婦人科学教室
pp.1811-1814
発行日 1996年9月10日
Published Date 1996/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402905297
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厚生省(平成6年簡易生命表)の発表では,わが国の平均寿命は女性では83.0歳,男性では76.6歳で世界一の長寿国である.また,現在65歳以上の人口がすでに総人口の14.4%,2018年には25%で,4人に1人の高齢化社会になると推計されている.このような社会情勢の変化によって,特に女性では加齢とともに男性の病態と異なる疾患がみられ,大きな問題となってきた.
女性は更年期,ことに閉経を過ぎると身体的にも精神的にも変化がみられ,更年期障害,萎縮性腟炎,性交障害,高脂血症,狭心症や心筋梗塞,骨粗鬆症による骨折がみられる(図1).これらの原因は,卵巣から分泌されている女性ホルモンの低下によるところが多く,卵巣ホルモン補充療法(hormone replacement therapy:HRT)でその罹患率を大きく減少させることができる.
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