講座 実地医家のためのホルモン講座
ホルモン療法の実際・6
更年期・閉経期のホルモン療法
石丸 忠之
1
,
黄 宏駿
1
Tadayuki Ishimaru
1
,
Koshun Ko
1
1長崎大学医学部産婦人科教室
pp.458-462
発行日 1986年6月10日
Published Date 1986/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409207406
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閉経期とは加齢とともに卵巣機能が漸次衰退し,卵巣からの性ステロイドホルモンの分泌が低下して,月経が停止する時期である。その前後のそれぞれの数年間は生殖期(成熟期)から生殖不能期(老年期)への移行期にあたり,この時期を更年期と呼んでいる1)。すなわち,estrogenの産生低下が次第に顕著となる更年期婦人においては,代謝的および身体構造的にさまざまな変化が認められる。ところで,最近の女性の平均寿命は著明に延長しており,それだけより長い期間をestrogen deficiency stateで過ごすことになる。したがって,中・高年婦人に対するホルモン療法は今後ますます重要な意義を持つことになる。本稿では,中・高年婦人のうち更年期・閉経期におけるホルモン療法の意義とその実際について概説する。なお閉経期は更年期の一過程であるので,ここでは更年期という言葉で一括して言及する。
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