今月の臨床 子宮外妊娠—up to date
子宮外妊娠は増えているか
3.子宮外妊娠時のhCG産生—正常妊娠との差異
丸尾 猛
1
,
望月 眞人
1
Takeshi Maruo
1
,
Matsuto Mochizuki
1
1神戸大学医学部産科婦人科
pp.354-356
発行日 1993年4月10日
Published Date 1993/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409901227
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hCGはα—,β—subunitの非共有結合から成る分子量39Kdの糖蛋白ホルモンであり,絨毛トロホブラストで産生される。hCG産生の過程では,まず2種のmRNAによってpre-hCGα蛋白,pre-hCGβ蛋白が合成されて,続いて糖鎖の付加が起こり,両subunitの結合によってhCGが産生される。
妊娠4〜5週絨毛では,hCGはcytotrophoblast(C細胞)に局在しC細胞でのhCG産生が示唆されるが1),妊娠6週以降の絨毛ではhCGはsyn—cytiotrophoblast(S細胞)のみに局在し,in situhybridizationの成績より妊娠6週以降絨毛では,C細胞からS細胞への分化過程の中でまずhCGαmRNAが発現し,次いでS細胞の分化過程の中でhCGβmRNAが発現することがわかっている。また,絨毛内hCGα,hCGβのmRNAレベルは妊娠の進行とともに減少する。
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