原著
生検診断による子宮頸部上皮内癌例の検討
宮川 昇
1
,
植田 国昭
1
,
村上 章
1
,
水谷 勝美
1
,
綾部 琢哉
1
,
大塚 伊佐夫
1
,
島袋 剛二
2
Noboru Miyagawa
1
,
Kouji Simabukuro
2
1都立駒込病院産婦人科
2東京医科歯科大学産婦人科
pp.315-320
発行日 1993年3月10日
Published Date 1993/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409901220
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
1975年5月から1990年12月までの間に,外来生検により子宮頸部上皮内癌と診断された例は149例であった。円切施行84例では,19.0%が浸潤癌と診断され,生検診断が過小診断となった。その後子宮摘出術が追加された63例では,全例,円切診断が術後診断と一致した。円切の有無にかかわらず子宮摘出術施行128例では,20.3%が浸潤癌と診断され,生検診断が過小診断となり,円切の重要性が認められた。円切後子宮摘出施行63例では,断端陽性例,あるいは,間質浸潤の疑いのある上皮内癌例があったため,6.3%が過剰手術となった。円切未施行子宮摘出術施行65例では,4.6%が過小手術となった。腫大リンパ節生検,郭清術施行47例では,転移は認められなかった。治療円切21例では,2例が浸潤癌であったため放射線治療が追加された。149例の経過観察中であるが,再発は認められていない。
Copyright © 1993, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.