今月の臨床 早期子宮頸癌--今日の焦点
グラフ
子宮頸部上皮内癌の組織学的診断基準
栗原 操寿
1
,
天神 美夫
2
,
滝 一郎
3
,
山辺 徹
4
,
野田 起一郎
5
,
岩田 正晴
6
,
和田 卓人
7
,
松岡 厳
8
,
武田 敏
9
,
竹内 正七
10
,
泉 陸一
10
1慶応大学医学部産婦人科
2癌研附属病院産婦人科
3大阪大学医学部産婦人科
4長崎大学医学部産婦人科
5東北大学医学部産婦人科
6東京慈恵会医科大学産婦人科
7九州大学医学部産婦人科
8岡山大学医学部産婦人科
9千葉大学医学部産婦人科
10東京大学医学部産婦人科
pp.5-8
発行日 1968年1月10日
Published Date 1968/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409203820
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
Ca in situの組織学的基準
a)症例No.6763(5-50),31才1200×。
l)細胞の異型性(atypia)—核の濃染性と染性の不同,大小不同,形の不同,クロマチンの増量と粗大性,核膜の不均等な肥厚,核細胞比は著しく増し,ために単位面積の細胞は密となる。比較的小型と大型の異型細胞にわかれ,写真は大型である。mitosisも多く,上層近くまで位置することがある。また,最表層の細胞は2〜3層横むきにならび,核は変性に陥つて濃染し,微細構造を失い,時に錯角化(parakera-tosis)を示すこともある。2)異型細胞は全層を占め,分化(differe-ntiation)を欠き,良性上皮のごとき層形成をみないのを定型像とする。3)細胞は極性(polarity)を消失し,あちこち勝手な向きをとる。4)そして浸潤(invasion)を久く。5)写真に示せなかつたが多は隣接する良性上皮と明瞭な境界線をもち,良性上皮を圧排(lateralinvasion)する。
Copyright © 1968, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.