今月の臨床 良性卵巣腫瘍—治療方針
疫学と分類
3.臨床病理学的分類
薬師寺 道明
1
Michiaki Yakushiji
1
1久留米大学医学部産婦人科
pp.244-248
発行日 1993年3月10日
Published Date 1993/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409901197
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早期発見や治療法など多くの問題を抱える卵巣癌は依然として現代婦人科学の強い興味の対象である。しかし日常臨床において遭遇する機会がはるかに多いのは良性卵巣腫瘍で,症例によっては性機能の温存という観点から手術適応や術式の決定などしばしばその取り扱いに苦慮する。こうした点を踏まえると,良性卵巣腫瘍の臨床病理を理解することは臨床上も大切なことである。
1990年新たに日本産婦人科学会と日本病理学会により作られた卵巣腫瘍の組織学的分類を,臨床的予後に基づいて表にしたものが表1である。このうち,良性腫瘍の項に記載された腫瘍について個々に概説する。
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